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講談 鼓が滝


講談界を盛り上げるごとく天才的な語りで人気の神田松之丞が好きです⭐️
日本一チケットがとれない講談師ですからYouTubeで観るくらいですが、その迫力ある語りは類をみない素晴らしさです☝️

『鼓が滝』という講談です。

年甲斐もなく感動しましたので皆さまにシェアします。

西行という名歌人が若き日、自分ほどの歌人はいないと慢心していた時、世に有名な『鼓が滝』にやって来て、   
『伝え聞く 鼓が滝に来てみれば 沢辺に咲きし 鼓草(たんぽぽ)の花』と詠んで自慢げにしていたがいつのまにか当たりが暗くなり体も動けなくなったからと近くの灯りがみえるあばら屋🏚を訪ねて泊めてもらうことになる。

あばら屋には70歳くらいの老夫婦と7歳くらいの孫娘がいた。西行が歌人であることを打ち明けるとその歌を聞かせてほしいと言う。西行は自信満々したり顔で自作を読んだ。しかしその爺さんが言う。

「とてもいい歌ですが、鼓が滝にきたのだから伝え聞くではなく『音に聞く』とした方がいい」と直されたのだ。西行はむっとしたがたしかに爺さんの言う通りだとうけいれる。そして今度は婆さんが言う。
「鼓が滝なのだから、『来てみれば』ではなく『打ち見れば』にした方が歌がしまります」とまた直されてしまう。もうこれ以上は変えないぞと思っていたがその孫までもが、「鼓はケモノの皮でできているから『沢辺』より『川辺』とした方がいいですよー」と直されてしまう。西行は内心怒りに満ちていたがたしかにその通りだと、結局三人の指摘を受け入れ、
『音に聞く 鼓が滝に打ち見れば 川辺に咲きし 鼓草の花』と詠み直した。とても素晴らしい歌になったと気持を取り直していると、その時一陣の風が吹いてあばら屋も老夫婦たちも消えてしまい、西行はその鼓が滝の前でうたた寝をしていたのだと気づく。
慢心の西行を夢の中で先人たちが諫めてくれたのだ。

西行はその後ずっとこの鼓が滝の反省を生涯忘れなかったといわれている。

人は慢心が禁物だという戒めをこの語りは見事に表現しています。

話としてはそれだけなのですが、神田松之丞(伯山)の講談で聴くと西行の心の動揺が伝わってきて、現代人にも心温まる話となることでしょう。

是非、神田松之丞の講談で『鼓が滝』を聴いて下さい。

(書は筆者による)

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プロフィール

清水 喜代治

Author:清水 喜代治
名古屋市天白区にある清水産婦人科の院長です。

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