無量無辺。今月の書

僕らが子供の頃あらゆる方面から、「地球は小さくなってきた」と言われはじめて、世界を見渡しても地球の隅々まで光を当てることすら難しいと思われていたのが簡単にどこにでも行けるようになったから無限なんてものはないのだと、人類の驕りのような錯覚がまかり通ってきました。
「無量無辺」、これは法華経の序品として出てくる言葉です。
釈迦は、悟りを開いたなかで、世界は果てしなくどこまでも限りない途轍もなく広い無限なのだと弟子たちに教え伝えてきたのです。
日々訪れる雑踏のような不安や光を放つ未来の希望までもが、所詮人類が無限なる宇宙の塵の如く儚い存在であるから故、いかなる時間にも外連味なく生きていくことだけが大切だと説いているのでしょう。
書の中の「無」が二つありますが、あえて書体を変えて書いたのもその意味からです。
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