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年度末、定年退職😥


毎年三月末頃になると、年度末特有の、春なのに秋風の匂いがあちらこちらから漂ってきます。

産業医としても活躍?していますから、いろんな事業所に顔出してますがこの時期は突然のように、「実は私本日で定年になります」の挨拶をもらうことが多いです😧傾向としてはどうも、感じがよくていい人に限ってやめてしまうことが多いです😞

医者の世界は定年がないとまで言われていますが、まともな診療ができなくなったらその時が定年なのだと思っています。

(写真は筆者と関係ありません)

産業医として事業所の定年の方の報告受けるとき複雑な気持になるものです。
「この方は一旦定年退職後再就職してますが、何しろもう歳ですから再就職してもあと半年くらいで退職になります」という報告受けて、「いくつの方ですか?」と聞くと、「いや、もう60過ぎてますから」
もう大した仕事させてないですからと言わんばかり。
(60過ぎでトシかぁ😥)世の中厳しいんだなと妙に納得して、こういうときは定年のない医者やってて良かったなと思います👨‍⚕️

私が子供の頃、内科医だった父が、
「○✖️先生は70過ぎてるのにまだ何人か患者診てるけどもう注射も出来んようになったからやめさせたほうがいいなぁ」と皮肉ってました。
当時ではいくら医者に定年がないといっても70過ぎたら実際仕事が覚束なくなっていたのです。

その頃の70過ぎの医者は皆ちょうど、百歳過ぎまで現役の医師だった聖路加病院の日野原先生のあの晩年の風貌でした。

自分では、その注射も出来んような医者の歳になりましたが、その当時でいえば50歳くらいの感じかなぁと思っています。自己満足でしょうかね^_^
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春分の日ゴルフ🏌️‍♂️



世の中三連休でしたが、今やどこにも安心して出かけられない閉塞感を打ち破ろうと、内輪だけなら安心と三人で回ってきました⛳️

いつもの長男と、長男のクリニックに来ていただいてるリハビリの紋人(もんど)先生の三人です。

信じられないほどの強風の中、三人三様ゴルフを楽しみことができ、普段の2倍疲れるはずなのに18ホール終わったあとさらにハーフ回りたいくらいに三人とも元気でした。意地汚く張り合うようなことのない和気藹々の三人で、ゴルフの楽しみ方の見本のようでした。

紋人先生のホームコースに連れていっていただき、私のような70過ぎの老人でも疲れを感じないくらい楽しませていただき感謝感謝🙏です。

ブルータスお前もか


コロナウイルス🦠が世界を席巻してパンデミック宣言がWHOから飛び出していますが、どこもかしこもマスクオンパレードで素顔見れない現状ですね😞

産業医の資格もっていますからいくつかの事業所に職場巡視にいきますが、どこもコロナウイルス対策で戦々恐々としています。

まだ年明け1月くらいは皆、対岸の火事くらいであまりマスクの話題も出なかったのです。

それぞれの職場の人に、「お医者さんはあまり風邪もうつらないんですね」と言われて、「僕はマスクしたことないですよ」と答えていたものです。それどころか、余計な話をしてしまう悪い癖があって、「僕の長男は内科医ですが、彼はもっと超能力みたいで、1日に何十人もインフルエンザ患者診ても一度もうつったことがないようですよ。もちろん彼はマスクしない主義ですから不思議なほど凄い免疫力なんです」と話したら皆驚いていました。

そんな僕でしたがさすがに昨今の状況から、医療従事者たる自覚からなるべくマスクを付けるようになりました。こないだマスクをして職場巡視したら、「先生がマスクするくらいいまは大変な時期なんですね?」と返されてしまいました^_^

そんな話の終わりのオチのように、「それでも長男は内科医なのにマスクしないんですよ、どんだけ強いんでしょうね」とこの場に及んでもマスクしないで仕事できる内科医の長男を誇らしげに持ち上げていたものでした^_^

次の日でしたか、長男と昼休みにゴルフ練習場に行ったとき、いつもメガネして練習に来るのにわざわざコンタクトレンズしていると言います。聞けば、「さすがに今は診療中マスクしてないと患者さんに訝しがられるんだよ」ということで、「今は毎日マスク診療だよ、マスクするからメガネが曇ってね、だから今はコンタクトなんだ」とのこと。

スーパーマンみたいに長男のことを自慢げに吹聴してきたのに、最後までマスクなしの医者だと信じていたのに僕にしては、
『ブルータス、お前もか』とつぶやきました😬

講談 鼓が滝


講談界を盛り上げるごとく天才的な語りで人気の神田松之丞が好きです⭐️
日本一チケットがとれない講談師ですからYouTubeで観るくらいですが、その迫力ある語りは類をみない素晴らしさです☝️

『鼓が滝』という講談です。

年甲斐もなく感動しましたので皆さまにシェアします。

西行という名歌人が若き日、自分ほどの歌人はいないと慢心していた時、世に有名な『鼓が滝』にやって来て、   
『伝え聞く 鼓が滝に来てみれば 沢辺に咲きし 鼓草(たんぽぽ)の花』と詠んで自慢げにしていたがいつのまにか当たりが暗くなり体も動けなくなったからと近くの灯りがみえるあばら屋🏚を訪ねて泊めてもらうことになる。

あばら屋には70歳くらいの老夫婦と7歳くらいの孫娘がいた。西行が歌人であることを打ち明けるとその歌を聞かせてほしいと言う。西行は自信満々したり顔で自作を読んだ。しかしその爺さんが言う。

「とてもいい歌ですが、鼓が滝にきたのだから伝え聞くではなく『音に聞く』とした方がいい」と直されたのだ。西行はむっとしたがたしかに爺さんの言う通りだとうけいれる。そして今度は婆さんが言う。
「鼓が滝なのだから、『来てみれば』ではなく『打ち見れば』にした方が歌がしまります」とまた直されてしまう。もうこれ以上は変えないぞと思っていたがその孫までもが、「鼓はケモノの皮でできているから『沢辺』より『川辺』とした方がいいですよー」と直されてしまう。西行は内心怒りに満ちていたがたしかにその通りだと、結局三人の指摘を受け入れ、
『音に聞く 鼓が滝に打ち見れば 川辺に咲きし 鼓草の花』と詠み直した。とても素晴らしい歌になったと気持を取り直していると、その時一陣の風が吹いてあばら屋も老夫婦たちも消えてしまい、西行はその鼓が滝の前でうたた寝をしていたのだと気づく。
慢心の西行を夢の中で先人たちが諫めてくれたのだ。

西行はその後ずっとこの鼓が滝の反省を生涯忘れなかったといわれている。

人は慢心が禁物だという戒めをこの語りは見事に表現しています。

話としてはそれだけなのですが、神田松之丞(伯山)の講談で聴くと西行の心の動揺が伝わってきて、現代人にも心温まる話となることでしょう。

是非、神田松之丞の講談で『鼓が滝』を聴いて下さい。

(書は筆者による)

ムンテラ🩺


我々の業界用語で『ムンテラ』という言い方があります。

今や医学用語は英語主体ですが、ん十年前はドイツ語主体でした。今でも年配の医師はけっこうドイツ語を使うから馴れ馴れしい英語のフレーズに対してどこか新鮮で格調の高さを感じますね^_^

Munt Therapie (ムント テラピー)から縮めて『ムンテラ』となったのですが正しい意味は、言葉だけで治療するという医術というより魔術のような奥義なのです。

我々医者の世界では病人を治療するのに薬も施術もせず、患者の悩みを包み込んでありとあらゆる例えや想像から暖かく気持ちを解して病をいつのまにか治してしまうという素晴らしいメソッドのことを『ムンテラ』といいます✨

しかし時としてこの『ムンテラ』を悪用することもあります^_^

先日長男とゴルフした時、なんと6ホール終えてオールスクエアで、いつも楽勝のはずの私に悪魔のフィードバック機構が働き、長男のティーショットの前に『ムンテラ』の悪用をしてしまいました^_^

「今日は好調なんだからこのホールも大丈夫だよ。ミスするとしたらうち急いでチョロして池ぽちゃくらいだけど、よもや失敗はないよ」と囁いたら、なんとその通り最悪のシナリオで池ぽちゃになりました。

そのあとは、秋の日はつるべ落としの如く長男のゴルフは凋落の一途でした。つまり、とくに力を入れたり頑張ったりせずに勝利してしまいました。

『ムンテラ』の悪用は恐ろしいものです。

刮目👁


これも僕の学生時代のことですからやはり50年くらい前の話です⭐️

無二の親友だった男がある日唐突に
「清水、こんな言葉知ってるか?」
「男子三日会わざれは刮目して見るべし」
「男ってものは三日も会わないでいたら格別変わってしまうものだから、まなこを擦ってしっかり見ることだ」
と言って自慢げに三国志からの漢詩を僕に教えてくれました。

当時競うように読書に明け暮れて、医学部なのに初めの2年間はあまり授業に出ないでお互いに読みあさった文学の知恵比べをしていました。

概してそれまでは彼の引用は幼稚な内容だったのですが、毛嫌いして一度も読まなかった三国志にそんな素晴らしい格言があるのかと衝撃を受け、正にその親友のことを『刮目』して見たものです。

男ということに限らず、ひとは少しの間でも会わないでいると驚くほど変わってしまうもので、変わらないのは自分だけかと錯覚します。

士別三日即更刮目相待(士別るるに三日即ち更に刮目して相い待すべし)・・・これが原文です。

胸を打つ言葉ですね✨

(書は筆者による)
プロフィール

清水 喜代治

Author:清水 喜代治
名古屋市天白区にある清水産婦人科の院長です。

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