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レジェンドの心得


子供の頃からゴルフに興じて、また昔はゴルフはごく一部のハイカラな遊びであったからゴルフに携わることがスティタスだった。

長くゴルフに親しんでいたから、いわゆるアベレージゴルファーよりは少しだけ上手いかもしれないが、ビギナーだったとき様々な先達人にある時は厳しくまた穏やかに教えを受けてその混沌としたゴルフの取り組みかたで現在の自分のゴルフスタイルがあると思う。

そうやって過ごしてきた中で私にとってレジェンドと位置づけているひとが数多くいる。

つい最近でも私にとってどうやっても越えられない人達と、自らがやや高齢になりそして「レジェンド」たちは更に一層齢を重ねて明らかに衰えを隠せずそれでもなお老いた肉体から長く培った技を絞りだそうとある時はそのプライドも捨てながら今の若いゴルフ群に掴まっていこうとする姿を見て涙がこみあがることがある。

その涙は、彼らが「眼を背けるないづれそう遠くないうちに君もこんなにもがき出すんだ」「でもゴルフはそれでも辞めずに続けていくことが大事なんだ」と無言のメッセージを送ってくれているのだと思うから哀愁でもあり、人生を噛みしめた苦味の涙なのだ。

自分はついにレジェンドほどにはなれなかったとしても衰え力尽きるまでゴルフのフィールドに立ち続けることが何よりも意味の深い関わりになると信じている。
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🎦マチネの終わりに🎞


平野啓一郎原作 「マチネの終わりに」楽しみにして観てきました⭐️

京大在学中に芥川賞作家となった平野啓一郎は、あの難解な小説「日蝕」で華々しいデビューしたわけですが、三島由紀夫の再来とまで言われ、おそらく彼は目指したであろうけど、いやそうではないまた新しい方向性を求めて、半分は叩かれて、乗り越えて、少し柔らかい感触を見せながら今や現代作家の最先端にいる作家と位置づけられていますが、僕には彼はまだ方向性に悩んでいる気がしています。

そんななか、おそらく平野啓一郎特有のモチベーションを高めようと書いた「マチネの終わりに」だったと思います。何故ならかなり長い間新聞の連載というかたちで2年もかけて、ある意味読者の反応を感じ取りながら書き進めたわけですから、「読ませたい」「楽しませたい」意欲が認められる作品として、きっと映画化まで彼は意識していたに違いないのです。

「日蝕」はかなりヘビーで独りよがりの作品として、理解すらできる読者が少なかったから、悪い解釈をすればマチネは読者に迎合してる内容と僕には写りました。

純文学作家としての意地で、二人の主人公の間に不条理な存在感の桜井ユキを敢えて決して溶け込めないこと承知で挿入するのですが、図らずもこの映画が単なるラブロマンスではないと掻き立てることに成功しているのです。

作品が連載だったように、単作の映画でなくてテレビドラマさながらに連続して長く楽しめたほうが、原作より評価されることになるかなと、そんな贅沢な希望をもってしまいました。

映画としてはカメラワークやストーリーの展開や、哲学的な感性も芳しい一般受けする作品でしょうね。

きっと平野啓一郎もその点にもどかしさや映画化にはそれくらいの期待しかしていないのではないかと思うのです。

なんと平野啓一郎とはFacebookで繋がっているのですが、かなり前からこの作品の映画化に並々ならぬ熱意を吐露しているのがわかったし、封切り公開後の彼の言葉が何故か静かすぎるのが、僕には手放しに喜べない重苦しさが見えてきます。

映画観る人と原作の読者と須らく満足させる作品というのはあり得ないのか期待するのが難しいのかもしれません。
プロフィール

清水 喜代治

Author:清水 喜代治
名古屋市天白区にある清水産婦人科の院長です。

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